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「民生技術に潜む軍民両用技術~」

       技術的検証「サーマルカメラをつくろう」購入~動作確認編2021年10月28日)

2021度の研究プロジェクト「民生技術に潜む軍民両用技術:現状調査と技術的検証」の技術的検証として航空機、防犯カメラ、小型ドローン、スマートフォン、最近では新型コロナ対策で普及したAI体温測定器に組み込まれているサーマルカメラ(赤外線カメラ)に焦点を絞り、様々な製品に搭載実績のある小型サーマルカメラモジュールの入手、組み立て、使用、性能評価を通した技術的検証を開始しました。今回は購入~動作確認編として途中報告させていただきます。

今回はサーマルカメラの分野で実績のあるTELEDYNE FLIR社(旧FLIR社)製品の中から小型サーマルカメラモジュールLepton3.5を対象に設定し、正式ルートとして販売代理店(コーンズテクノロジー株式会社)から購入する事にしました。

今回購入した販売代理店では販売を日本国内で製造、開発、研究を行う法人のみに限定されており個人での購入は不可との事。

さらに今回対象にしたTELEDYNE FLIR社製品の購入には「用途」「使用者」「使用場所」「防衛用途の有無」といった項目からなる申請書の提出が義務付けられます。既にこの時点で市民生活における「通信販売」とは異質だと実感させられます。

この手続きについては、メーカーサイトにも記載(画像参照)があるようにサーマルカメラが軍民両用「技術」として規制の対象となる機器でもある証とも言えます。

その後、購入手続きを終えて10日ほどで手元に届きました。

事前にサイズは理解したつもりでしたが、実際に手にしてみると10円硬貨にも満たない小ささと軽さに驚きつつ組み立てに入ります。

組み立ての手順としてはカメラモジュールを基盤の接続口に差し込む…のみ、工具も使わず1工程のみであっけなく終了。

続いて動作確認の為にクライアントPCに専用アプリをダウンロード&インストールして、サーマルカメラ本体とUSBケーブルで接続するとサーマルカメラとしてしっかり動作している事を確認できました。組み立てから動作確認までの所要時間は約5分でした。

今回の検証では、購入、入試までの手間と時間と比べて組み立て、動作確認の容易さが際立つ結果となりました。この結果から、入手さえ出来れば誰でも簡単に使用できる機器ではあるが、安全保障上の規制の対象となる「軍民両用技術」に該当する事から購入に際しては一定の条件を設けている、という一つの例を明らかに出来ました。

では、このサーマルカメラモジュールが組み込まれた製品を購入する際には必ず今回のような条件が課せられるのか?と言えば一概にそうとも言い切れない実態も複数確認出来ます。今回の購入方法以外の入手や今回入手したサーマルカメラモジュールの応用含め技術的検証を継続して別途報告させていただきます。

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